政令使用人(令6条の10に規定する使用人)の資格を使って、東京都の産廃許可を取得しました!

皆さんは「政令使用人」「令6条の10に規定する使用人」という言葉をご存知でしょうか?今まで、「見たことも聞いたこともない」といった方がほとんどではないでしょうか?実は、御社も「令6条の10に規定する使用人」を置くことによって、産廃許可取得の可能性が広がることがあります。

このページでは、弊所が実際に「政令使用人(令6条の10に規定する使用人)の資格を使って、東京都の産廃許可を取得した事例」とともに、「令6条の10に規定する使用人」についても解説していきたいと思います。

依頼内容

ご依頼者さまの所在地 東京都豊島区
申請先自治体 東京都
廃棄物の種類 廃プラスチック類/紙くず/木くず/繊維くず/金属くず/ガラスくずコンクリートくず及び陶磁器くず/がれき類(石綿含有産業廃棄物を含む・限定無し)
依頼内容 東京都産業廃棄物収集運搬業許可申請

相談内容

以前、弊所サービスを利用して、東京都の建設業許可(管工事・電気工事)を取得した事業者さまからのご相談です。管工事・電気工事を請負う際に、どうしても廃材として、産業廃棄物が出てしまうので、東京都の産廃収集運搬業の許可が欲しい。ただ、日本産業廃棄物書類振興センターの講習会を受講し、修了証を取得したのが、役員ではない。

役員以外のものが、講習会の修了証を取得した場合でも、産廃許可の取得は可能か?政令使用人(令6条の10に規定する使用人)の資格で取得することはできないか?

弊所の対応

役員以外(代表取締役や取締役以外の従業員)が、講習会の修了証を持っているので、その人の修了証を使って、東京都の産廃許可取得ができないかというご相談でした。実は、弊所では過去にも、代表取締役や取締役以外の従業員の講習会の修了証を利用して、東京都の産業廃棄物収集運搬業の許可を取得したことがありました。

その時の経験を今回のお客様に生かすことができました。「相談/お問合せ」から「許可取得」までの時系列は下記の通りです。

相談/お問合せ日 2020年9月
申請日 2020年10月29日(東京都都庁の受付日)
許可取得日 2020年12月11日

事案の概要

この事案では、お問合せを頂いた約1か月後に東京都庁への申請を行い、そのさらに1か月半後に東京都の産廃許可を取得することができました。スピード的には、かなり速いほうだと思います。それだけ、お客さまも一生懸命になって、許可取得の必要書類の提出にご協力をしていただきました。

本来、産廃許可を取得するには、代表者や取締役が日本産業廃棄物処理振興センターの講習会を受講し、修了証を取得しなければなりません(2021年現在は、コロナ禍による影響のため、講習会はオンライン受講となっています。また、効果測定のみ試験会場にて行われています)。しかし、「令6条の10に規定する使用人」を置くことによって、代表者や役員が講習会を受講しなくても「令6条の10に規定する使用人」が受講すれば、産廃許可を取得することができます。では「令6条の10に規定する使用人」とは、どういった人のことを言うのでしょうか?

令6条の10に規定する使用人とは….

難しい言葉ですので「令6条の10」と「使用人」という2つの言葉に分けて考えていきましょう。

「使用人」とは

まず、「使用人」とは、会社と雇用契約を結び、会社に使用されている人のことを言います。「代表者」や「取締役」は、使用人には該当しません。簡単にわかりやすく言うと「使用人」とは、「従業員」「正社員」ということもできるかもしれません。

「令6条の10」とは

この「令」とは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」を言います。ネットで検索すると条文が出てきますが、条文の理解・精読をしていてもしょうがありませんので、簡単に要約すると

  • 本店又は支店

又は、

  • 継続的に業務を行うことができる施設を有する場所で、廃棄物の収集等の業に係る契約を締結する権限を有する者を置くもの

と理解してみてください。キーワードは、「従業員」「正社員」「本店または支店」です。このキーワードを整理すると、仮に代表取締役や取締役ではない使用人(従業員・正社員)であったとしても、「本店や支店」の代表として産業廃棄物の収集などの業に係る契約を締結する権限を有するものを置けば、産業廃棄物収集運搬業の許可を取得できることになります。

この事案では…

政令使用人(「令6条の10に規定する使用人」)を置く場合には、「政令使用人に関する証明書」を添付する必要があります。今回の申請では、代表取締役・取締役以外の正社員であるAさんを東京本店の長として

  1. 法令遵守に関する社員教育
  2. 社員への具体的作業に関する指導・指示
  3. 収集運搬に関する契約締結権者として、社内折衝、社内調整、最終的意思決定

などの業務を行っている者として「政令使用人に関する証明書」を添付のうえ、東京都庁に提出しました。

まとめ
弊所で取り扱う産業廃棄物収集運搬業の許可のうち、9割以上は、代表取締役もしくは取締役の講習会の修了証を使用します。基本的には、申請会社の産廃業務に関連する責任者は、代表取締役もしくは取締役であるといえるからです。よって、本来的には、代表取締役や取締役が「産業廃棄物の収集などの業に係る契約を締結する権限を有する者」に該当するのでしょう。

しかし、会社の状況など場合によっては、代表取締役や取締役以外の者に「産業廃棄物の収集などの業に係る契約を締結する権限」を与え、政令使用人として証明をすることによって、産廃許可を取得することは可能です。

もし皆さんの会社の特殊な事情によって、代表取締役もしくは取締役以外の政令使用人(令6条の10に規定する使用人)の講習会修了証で産廃許可を取得しなければならない場合には、この記事の内容を思いだして頂ければ幸いです。


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