豊島区内での積み替え保管施設設置に成功しました!

事案の概要

本店所在地 東京都豊島区
申請先自治体 東京都
廃棄物の種類 ・汚泥・廃油・廃プラスチック類・紙くず・木くず・繊維くず・動植物性残さ・ゴムくず・金属くず・ガラスくずコンクリートくず及び陶磁器くず・がれき類(石綿含有産業廃棄物を含む)※太字が、積替え保管あり
申請の種類 事前計画書の作成提出

現地調査

東京都 産業廃棄物収集運搬業変更許可申請

相談内容

おもにペットボトルや弁当の空きがらなどの廃プラスチック、空き缶などの金属くず、空き瓶などのガラ陶くずを業者からの委託により都内の公園・道路から収集している。収集する量は、それほど多くないので、毎日、中間処理施設まで運ばないといけないのが面倒である。自社で保管できれば、その分手間が省けるのでありがたい。

3~4件の行政書士事務所に相談してみたが、「費用は80万円以上」と言われたり、「豊島区内での積み替え保管施設の設置は無理」と断られたりした。他の行政書士事務所の話を聞いても、どの点がダメなのか?どうすれば許可が通るのか?がはっきりしない。可能な限りでよいので、許可が通るように協力してもらえないだろうか?

弊所の対応

面談時の印象

まず、他の行政書士事務所に相談したところ、『「費用は80万円以上」と言われたり、「豊島区内での積み替え保管施設の設置は無理」と断られたりした』というお話を伺いビックリしました。弊所の積替え保管施設の設置の行政書士報酬は30万円~ですし、「豊島区内」だからという理由で積み替え保管施設の設置ができないということはないからです。

もっとも、よく話を聞いてみると、共同マンションの1階部分の駐車場兼倉庫を積み替え保管場所とすること、積替え保管施設の設置場所が住宅街(近隣商業地域)であったことから、保管する廃棄物の量や取扱いを十分に注意しなければならないと感じました。

事業者さまには、積み替え保管施設の設置(積替え保管ありの許可を取得)するまでには、クリアしないといけないハードルがあり、許可が下りない可能性があることも承知して頂いたうえで、受任する運びとなりました。

事前計画書の作成 提出

まず、事前計画書の作成から始めなければなりません。当初、取り扱う産業廃棄物に「木くず」や「紙くず」を入れることを希望していました。しかし、「木くず」や「紙くず」は業種指定のある産業廃棄物であるため、建設業者や製紙業者から排出されるものでない限り、「産業廃棄物」には該当しません。本件では、排出事業者は都内の道路公園管理者であったため、業種指定の要件を満たさず「木くず」「紙くず」を入れるのは断念しました。

次に、事前計画書には、建物所有者の同意が必要になります。本件では、産業廃棄物(「廃プラ」「金属くず」「ガラ陶くず」)を一時的に保管することについて、建物所有者さまの同意が得られたため、特に問題はありませんでした。

さらに、事前計画書には、近隣住民の同意書が必要になります。こちらも事業者さまの手を煩わせることなく、弊所にて対応させて頂きました。

事前計画書の提出の際には、社長も都庁に同伴して頂きました。というのも事前計画書を提出する際には、「どの廃棄物をどのように扱っているのか」「どのくらいの量を保管するつもりなのか」「周辺地域の状況」など、その会社でないとわからないことを聞かれることが多いからです。

現地調査

事前計画書には、保管容器や保管場所の図面・写真を添付します。その図面・写真に偽りや誤りがないか現地調査が行われます。現地調査の際には、保管場所内部の確認が行われたほか、「消臭スプレーや害虫駆除のスプレーが常備されているか?」「廃棄物の内容物破損や液漏れにどのような対策を取るのか?」など細かいところまでチェックを受けました。

積み替え保管を行う廃棄物は「廃プラ」「金属くず」「ガラ陶くず」の3つのみで、悪臭が発生するものや内容物破損に伴う液漏れの心配があるものは、なかったのですが、液漏れ防止金具を設置したり、マットを引いたり、モップを常備したりと、様々な準備を行いました。また当初は廃棄物をごみ袋に詰めて保管する予定でしたが、ポリバケツを購入し、ごみ袋ごとポリバケツ内に保管するという悪臭対策・液漏れ対策を取ることになりました。

変更許可申請

現地調査でOKが出れば、あとは、変更許可申請(いわゆる本申請)を行うことになります。「変更」許可申請とはいうものの、申請書類や準備する書類は、ほぼ「新規」許可申請と同じです。講習会の修了証や自動車の車検証のコピーが必要なのはもちろんのこと、住民票や登記されていないことの証明書を取得しなければなりません。

また、変更許可申請の場合でも、財産的要件を満たしていることが必要になりますので、財産的要件のチェックも忘れずに行ってください。

12月上旬に現地調査が終わって、変更許可申請は年末の忙しい中提出することになりましたが、年内に無事、変更許可申請の提出まで終わることができ一安心しました。

コメント

弊所には、産業廃棄物収集運搬業の積み替え保管ありの許可を取得したいという事業者さまからの問い合わせが多くあります。ひとことで「積み替え保管あり」「積替え保管施設の設置」といってもさまざまなケースがあり、「こういった場合は許可は取れる」「こういった場合は許可は取れない」と一概に言うことはできません。

例えば、本件では、豊島区内の住宅街で、しかも集合住宅の1階部分での積み替え保管施設の設置でしたが、許可を取ることができました。しかし、仮に本件で保管する廃棄物が「廃油」「廃アルカリ」「動植物性残さ」などの液体廃棄物で、しかも大量に保管する場合であったら許可を取得することは難しかったかもしれません。

また、本件では、建物所有者の同意を得ることができましたが、仮に建物の所有者が産業廃棄物を保管することに理解を示さなければ、私たちがどんなに頑張っても許可をとることはできません。

さらに本件では、内容物破損・液漏れ対策のために「ポリバケツ」「モップ」「液漏れ防止金具」「マット」を新たに用意し、「防臭スプレー」や「害虫スプレー」も準備しました。これらの対策がなければ事前計画書の段階で、許可をあきらめなければならなかったかもしれません。そういった意味では事業者さまの協力は欠かせないものです。

以上のように「積替え保管施設の設置」「積替え保管あり」の許可申請は、行政書士と事業者さまとの協力体制のもと、東京都の指示を仰ぎながら、綿密に計画を練って申請することが重要であると思います。

 


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