事案の概要
本店所在地 | 東京都渋谷区 |
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申請先自治体 | 東京都・埼玉県 |
廃棄物の種類 | 廃プラスチック類/紙くず/木くず/繊維くず/ガラスくずコンクリートくず及び陶磁器くず/がれき類
(石綿含有産業廃棄物を除く・限定無し) |
依頼の内容 | ・東京都の産廃許可申請
・埼玉県の産廃許可申請 |
相談内容
工事現場から出た建設系産業廃棄物を運搬する際に、産業廃棄物収集運搬業の許可が必要になった。8割は東京都内で収集運搬を行うが、残りの2割は埼玉県内の工事現場から出た廃棄物を運搬することになるので、東京都知事許可と埼玉県知事許可の両方を取得したい。
行政書士法人スマートサイドには、「とび・土工・コンクリート工事」「解体工事」「内装工事」の特定建設業許可を取得する際にお世話になったので、建設業許可に続けて、産廃許可も横内事務所にお願いしたい。日本産業廃棄物処理振興センターの講習会は受講済みなので、できるだけ早く取得したい。
弊所の対応
以前、弊所にて東京都の特定建設業許可を取得したお客様からのご依頼でした。戸建て住宅の解体や内装解体を行っている建設業者は、工事現場から出た廃棄物を運搬するため、産業廃棄物収集運搬業の許可を取得される方が非常に多いです。このお客様も、東京都・埼玉県の解体工事現場から出た廃棄物を運搬するために東京都・埼玉県の両方で産廃許可が必要とのことでした。
以前からお付き合いのあるお客様からのご依頼でしたので、ご要望通り、最短・最速での許可取得を試みました。
まずは、都庁・県庁への予約を!
このホームページでは、何回も記載していますが、産廃許可を最短で取得したいのであれば、手続きの順番を間違えないことが重要です。弊所では、急ぎのお客様の場合、まずは、都庁・県庁に電話して申請予約の空き状況を確認します。予約の空き状況を確認し、可能であれば、その場で予約を入れ審査日時を確定させたうえで、審査日時から遡って、審査に間に合うように書類の作成・準備を行うようにしています。
この事案では、当初から急ぎである旨のご要望があったため、ご依頼をいただいたその日のうちに、東京都庁と埼玉県庁に審査の空き状況を確認しました。その結果、東京都は約2週間後、埼玉県は約1か月後に、空きがあり、申請の予約を入れることができました。
東京都の審査日時 → | 約2週間後 |
埼玉県の審査日時 → | 約1か月後 |
この事案では、ご依頼をいただいたその日のうちに申請予約を入れましたが、仮に、住民票や納税証明書の取得・書類の作成などの準備が整ってから、予約を入れていたとしたどうでしょう?住民票や納税証明書の取得・書類の作成などの準備に20日間かかったとしたら、産廃許可の申請にたどり着くまでに20日間も余計な時間がかかってしまうことになります。
東京都の審査日時 → | 書類準備に要した20日間+約2週間後 |
埼玉県の審査日時 → | 書類準備に要した20日間+約1か月後 |
この20日間は、非常に大きなタイムロスですね。「急ぎ対応が必要なのか?必要でないのか?」「都庁・県庁の審査の空き状況に余裕があるのか?ないのか?」「住民票などの法定書類の準備にどれくらいの日数がかかるのか?」といった状況にもよりますが、急ぎでの対応が必要な場合には、この事案と同様に先に申請予約のスケジュールを確認してみてはいかがでしょうか?
申請日時から遡って書類の準備を!
上記のように都庁・県庁で申請予約の空き状況を確認し、先に予約を入れ、審査日時を確定してしまえば、あとは、その審査日時に間に合うように書類を準備するだけです。「書類を準備するだけ」と書きましたが、本業が忙しいと、その「書類の準備」がままならないかもしれません。特に本件の事案のように申請先が「東京都」「埼玉県」と複数の自治体になると、複数自治体分の書類を準備しなければならないので、相当手際よくやらなければなりません。
本件の場合、取締役は社長1人でした。そのため、「住民票」と「登記されていないことの証明書」は、東京都提出分と埼玉県提出分の2通ずつ(合計4通)用意すれば足りました。これが、取締役5名だったらどうでしょう?「住民票」と「登記されていないことの証明書」を東京都提出分10通、埼玉県提出分10通、合計20通、用意しなければなりません。
<本件(役員1名)の場合>
住民票(1名分) | 東京都提出分 | 1通 |
埼玉県提出分 | 1通 | |
登記ないこと証明書(1名分) | 東京都提出分 | 1通 |
埼玉県提出分 | 1通 | |
合計 | 4通 |
<取締役5名の会社の場合>
住民票(取締役5名分) | 東京都提出分 | 5通 |
埼玉県提出分 | 5通 | |
登記ないこと証明書(取締役5名分) | 東京都提出分 | 5通 |
埼玉県提出分 | 5通 | |
合計 | 20通 |
この表を見ていただければわかるように、産廃許可申請の手続きの難易度は、取締役の人数によっても異なってきますので、御社の取締役の人数が何人で、その際に必要となる法定書類の枚数は何枚になるのか?ぜひ、事前に確認をしてみてください。
事業計画の作成について
産廃許可の申請でもっとも重要なことの1つに「事業計画の概要」の作成があります。事業計画の概要とは簡単に言うと
- どの廃棄物を、どれくらいの量、どこからどこに運ぶのか?
といった、産廃許可を取得した後の事業計画について、書類に記載しなければなりません。
もっとも、この事案では、
- 取締役→社長1人
- 運搬車両→1台
- 廃棄物の種類→建設系の産業廃棄物6つ
に限られていたので、事業計画の作成に、手こずることはありませんでした。
東京都・埼玉県ともに無事許可取得
申請日時までに書類を整え、実際に東京都庁と埼玉県庁に申請書類を提出しに行きます。申請書類は、正本と副本を用意し、申請手数料として81.000円を現金で持参しました。なお、申請手数料は、各自治体ごとに81.000円ですので、本件のように東京都と埼玉県の2つの自治体で許可を取得しようとする場合、81.000円×2か所分=162.000円の申請手数料がかかることになります。
東京都・埼玉県ともに無事に審査が終了し、手数料をお支払いして、審査完了です。審査完了後、50日程度で、許可通知書が届きました。
産廃許可取得をご検討中の建設業者さまへ
弊所には、産廃許可を取得したいといった建設業者さまからのお問い合わせが多数あります。今回ご紹介した事案のお客様のように、「戸建て解体工事」や「内装解体工事」を行っている建設業者さまの場合、建設業の許可と産廃業の許可は、切っても切れない関係にあるといっても過言ではありません。
さらに建設業許可と違い、産廃業の許可は「複数の自治体で取得する」ことが必要になる場合があります。1か所で取得すればOKといったものではないので、建設業許可を取得する際の数倍の労力が必要になるかもしれません。
産廃許可取得をご検討中の建設業者さまは、ぜひ、この記事を参考にしてみて下さい。そして、お困りの際には、どうぞ遠慮なく行政書士法人スマートサイドまでご連絡ください。